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2017年6月28日(水) 00:44 JST

質問票を作成する上での注意点(1)

実際に質問票を作成する上での注意点を説明します。

なお、ここで挙げたものは、質問票作成者の中で一般的に言われていることや学生を指導したときの経験的なものです。

ですから、質問票の作成に関わる注意事項ではなく、文章作成の注意点や一般常識的なものも含まれていることをご了承ください。

注意点といいながら、これは絶対に守らなければいけないもの…というわけではありません。

ただし「なぜ、注意点を守らなかったか?」と聞かれたときには答えられるようにしておきましょう。

(私が担当する科目のレポート課題や試験で、質問票を作成する問題があったときはその理由をコメントとして記載してください。

これらの注意点は今後も更新していく可能性がありますので注意してください。


  1. 口語体で文章を作ってはいけない。
  2. 回答してもらう前に丁寧な気遣いの文句を入れる。
  3. 質問の順番をよく考える。
  4. 質問票はA4で2ページを目安にする。
  5. 意味が同一の質問を作らない。
  6. 回答者が頭に浮かぶ回答が回答群にあるように作る。
  7. 自由回答に期待をしてはいけない。
  8. 「ふつう」という表現を使わない。
  9. 曖昧な質問はしない。

1. 口語体で文章を作ってはいけない。

 質問票に回答していただくのは、年配の方もいらっしゃいます。せっかくお時間をいただいて回答していただいているのに、話し言葉では失礼な感は否めません。

2. 回答してもらう前、あるいは後に気遣いの文を入れる。

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 お忙しい中、お時間をいただきまして、心より感謝いたします。

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 裏面もあります。どうぞよろしくお願いします。

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 気持ちよく回答していただきましょう。

3. 質問の順番をよく考える。

 質問は基本的に回答しやすいものから順に質問します。

 一般に質問票では、質問したい項目の他、回答者の属性(性別、職業、世帯構成、年収等)や質問したい項目に関わる質問項目(例えば、ラーメン屋さんの満足度調査をしたいなら、満足度を測る質問の他に、ラーメンを食べる頻度の質問など)を組み合わせて質問票を作ります(詳しくは-10.質問票の作成)。

 個人情報(回答者の属性)に関する質問では、質問票の最後にある場合がよく見られますが、これはそうした理由でもあります。

 たとえば、年収を質問しても、回答者は答えにくい/答えたがらないですよね。

 個人情報は回答者がとても答えにくいものです。質問票の一番最初にそれを置き、それを書くことに躊躇ってしまったり、時間をかけてしまっては、本来の質問に回答してもらえない事態も考えられます。

 (もちろん、差しさわりのない個人情報しか質問しないのであれば、質問票の最初にあっても問題はないと思います。)

 またそれ以外の質問でも、質問の順序を変えることで答えやすくなる場合もあります。回答者の気持ちで考えてみましょう。

 質問の組み合わせなど、詳細については「- 9. 質問票を作成する上での注意点(2)」で説明します。

4. 質問票はA4で2ページを目安にする。

 質問票を作るとたくさん質問を用意したくなるものです。これは「せっかく作ったのだから、聞けることはすべて聞いておきたい」とか「もし、調査回答を解析してなにも出てこなかったらどうしよう。関係しそうな質問はすべて入れておこう」などという理由からそうなるようです。

 しかし、回答者の立場で考えてみましょう。回答に費やす時間が長くなれば長くなるほど、回答することがめんどうになります。めんどうになると回答するのを止めてしまう。あるいは途中からいい加減な回答をしてしまうなどという恐れが出てきます。

 回答していただけないと目標とする回答数に達しない恐れがあります。また、いい加減に回答されるとデータの信頼性が損なわれてしまいます。

 ときどき数ページにわたる質問票を見ることがありますが、受け取ったときに私自身うんざりしてしまうことがありますが、みなさんもそういう経験はないですか?

 経験的に5分程度の回答時間で済む質問票が良いと思います。それはだいたいA4用紙で2枚程度でしょうか。

 とはいいながら、私もA3で裏表に印刷した質問票を作成したことがあります。

 A4で2枚はあくまで目安と考えていただければよいと思います。

5. 意味が同一の質問を作らない。

 初心者には意外に多いようです。質問の文章が異なっていても、意味が同じ質問(同じ意図を持つ質問)をときどき目にします。

 作成した後は、もう一度よく確認してみましょう。

6. 回答者が頭に浮かぶ回答が回答群にあるように作る。

 質問作成者はあらゆるパターンを想定して回答群を作らないといけません。回答群に念のため「その他(     )」を用意しますが、これは使われないことが理想です。後でデータ解析をしたときに非常に扱いにくいものです。

7. 自由回答に期待してはいけない。

 一般に質問票の最後に「なにかお気づきの点があればご記入をお願いします」、「その他、なにかありましたらご自由にお書きください」と書いておくものです。しかし、この項目はデータ解析には使用できません(テキスト・マイニングの手法を使用することはできますが)。

 それは記入したい事柄があったとしても、多くの人はめんどうなので記入してくれないからです。

 それでも質問票作成者の気付いていないことを知らせてくれることもあります。それは調査依頼者に伝達することはできますし、また同じような質問票を作成するときの参考にもなります。

 また回答者が大きな不満抱いているときに、それを吸収する緩和剤になることもあります。

8. 「ふつう」という表現を使わない。

 回答者の価値観を知りたい場合はよいのですが、そうではない場合、人の価値観によって「ふつう」の範囲が変わります。

 人によっては「大変」なことも「ふつう」と感じる人もいるでしょう。

 リッカート尺度法でも、5段階、あるいは7段階で質問するときは、中央部には「どちらともいえない」と書き、「ふつう」とは書かないものです。

9. 曖昧な質問はしない。

 「6.回答者が頭に浮かぶ回答が回答群にあるように作る。」に若干似たようなことですが、選択に困るような質問や回答群を作らないようにします。

 質問では回答者によって異なるものや異なるイメージを頭に浮かべた場合、適切な回答が得られなくなってしまいます。

 たとえば、「ICカード」について質問をしたとします。

 さて、このICカードとは、Kitaca、Suica、TOICA、、ICOCA、、SUGOCA、PASMOなどの、いわゆるICカード乗車券を指しているのでしょうか。それともEdy、WAON、nanacoなどのショッピング用電子マネーとしてのICカードを指しているのでしょうか。また最近では、社員証などがICカード化されて、身分証明書としての役割を持つものもあります。

 こうした利用場面や利用目的が違うものは、たとえば「不便を感じますか?」と聞かれて適切な回答を期待できるでしょうか?

10.心理的な事柄を質問する場合は注意する

 回答者の防衛本能が働きやすいことや偽って回答することなどがあります。回答の信頼性の欠如につながる場合があります。

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