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2017年10月21日(土) 17:36 JST

マズローの5段階欲求仮説

マズローの5段階欲求仮説を聞いたことがあるでしょうか。

マズローの5段階欲求仮説は、人間の持つ欲求の段階を示したものです。
生理的・生物的欲求がもっとも下位層にあり、、安全・安定の欲求、所属と愛情の欲求、尊厳の欲求と上位層になり、最上位に自己実現の欲求があります。
下位層の欲求が満たされないと上位層の欲求は生起しないとされています。
すなわち、生理的・生物的欲求が満たされなければ、安全・安定の欲求が生起しないということです。

さて生理的・生物的欲求とは、本能の欲求であり、「食べたい」、「寝たい」などである。
例えば、食がまったく満たされず、餓死しそうであれば、身の危険も顧みず(安全・安定の欲求)に食べ物を獲得しようとするだろう。
また死ぬか生きるかということに追いやられているとき、仲間(所属と愛情の欲求)を裏切ることもあるかもしれない。
安全・安定の欲求を満たしていると、次には愛情を求め、集団(友人たちのグループであったり、学校や会社という公的な集団)に所属したいという欲求が生まれるといいます。
情緒的な人間関係や他者の愛情を求めます。
それが満たされると、他者に尊敬されたい、認められたいという欲求が生まれるといいます。
集団内で名声や注目されたいというものです。また職場であれば、新たな技術やスキルを身につけたいと思うことや自主的に研鑽を積むことも含まれます。
前者は他者からの評価であって、後者は自己の評価といえるかもしれません。
尊厳の欲求とはこうして自分の評価を高めたい(他者か自己かは別にして)という欲求です。

そしてこれらをすべて満たした人間は、自己実現の欲求を満たしたいと考えるといいます。
こうありたい、こういうことをしたいという欲求ですが、これは自分の名声を高めたいためのものではなく、たとえば(本当の意味での)ボランティア活動であるとか、自分の財産を自分の納得するところに寄付や出資をして、自らもそうした活動をするといったものです。
マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が、お金や名誉などを手に入れた後、世界最大の慈善基金団体(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)を設立しました。
世界を対象に病気や貧困、そして教育などへの慈善活動を目的としています。
これに対して、ときどき偽善的行為と否定的に捉える声も聞かれますが、自分と層が異なる欲求を持つ人の気持ちはわからないものです。
(私もビル・ゲイツ氏の行為を理解できません(笑))
ビル・ゲイツ氏のこうした活動は自己実現の欲求の例といえるかもしれません。

マズローの5段階欲求仮説ですが、こうして説明するともっともらしいのですが、これは証明されたわけではありません。
ですから、「仮説」と最後に記しています。
もちろん、証明されたわけではないですから、これに対する批判もあります。
ただ多くの研究者に受け入れられている仮説です。 

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5段階欲求説についてはこちら
A.H. マズロー (著)、 小口 忠彦 (訳)『人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ(1987年)』、産能大出版部。

経営的な視点から読みたいならこちら
A.H. マズロー (著)、金井 寿宏 (監訳)、大川 修二 (訳))、『完全なる経営(2001年)』、日本経済新聞社。
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このマズローの5段階欲求仮説は、消費者行動を考える上でも示唆があります。
例えば、国際的な調査を行う場合です。
例えば、成人に達する日本人では、生理的・生物的欲求や安全・安定の欲求を求める人は非常に少ないでしょう。
所属・愛情の欲求を求める人はそれなりにいるかと思います。
働いている方は尊厳の欲求が多いのでしょうか。
たぶん、成人に達している日本人はこのような感じでしょう。
しかし、戦争が勃発している、あるいは戦争と隣り合わせにいる国、また非常に貧しい国では階層の欲求の人が多いかもしれません。
そうした国々の場合、日本人を前提にした質問票とは大きく異なるのではないでしょうか。
たぶん、「明日の食の心配がありますか?」といった質問は、対象が日本人であればナンセンスですが、そうした質問を必要とする国もあることでしょう。
国際間比較をするようなとき、マズローの5段階欲求仮説の各段階に対応する質問を用意することも必要になる場合があります。

消費者調査とはちょっと違いますが、小学生に調査する場合は大人にはあまり必要がない生理的・生物的欲求、安全・安定の欲求、所属と愛情の欲求に対応する質問が必要かもしれませんね。
昨今、虐待やいじめなどの問題も世間を賑わしています。
そのような調査は専門外ですが、子どもたちは下位層の欲求に対応する質問で発見できるのかもしれません。

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