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2017年8月20日(日) 14:56 JST

消費者行動研究の過程

何回かに分けて消費者行動研究の発展過程を説明します。

20世紀前半は経済学の範疇で、消費者行動を研究してきたといえるでしょう。
もちろん、他の学問領域でも現在の消費者行動研究に影響を与えたものはいくつもありますが、基礎的な研究は経済学にあったといえます。
経済学(ミクロ経済学)の基本的なスタンスは、制約条件のもとで効用の最大化を考えることです。
消費者の持つ収入はそれぞれ限られており、収入以上の支出はできません。
ですからその収入という制約のもとで、もっとも適しているモノを購入することになります。
すなわち消費者は、制約された中で最大の効用を手に入れようとするはずです。
現在はH.A.サイモンの限定合理性の考えが受け入れられていますが、当時は私たち人間は必要な情報は入手でき、すべての選択肢の中から最適なものを決定する完全合理性で考えられていました。
H.A.サイモンの限定合理性は、人間の情報や知識、計算能力、認知能力には限界があることを指摘しました。
すなわち、限られた情報の中で、すでに持つ知識や能力の中で合理的な意思決定(本科目の範疇であれば消費者行動)を行うというものです。
また、20世紀後半から、先進国では経済的な発展が見られました。
経済の発展は消費者である国民に多くの収入をもたらし、また様々な商品が登場することになります。
貯蓄にしても、単に銀行に預けるだけではなく、様々な投資方法が登場しました。
20世紀後半からは裕福になり、多くの消費者の自由裁量所得が増えました。

さて、では自由裁量所得の増えた消費者は、どのような消費行動を採るのでしょう。
すぐに思いつくものとしては、趣味とかブランド品などでしょうか。
きっとそれぞれの消費者の価値観や嗜好に合うものに消費するでしょう。
旅行が好きな人は旅行にお金を費やすかもしれません。
普段から社会階層の高い人と会う機会が多い人は、その人たちに見劣りしないように身だしなみを整えるかもしれません。
また好きなアイドルやタレントが身につけているものと同じものを持ちたいと思うかもしれません。
いくつか思い当たることを紹介しましたが、こうした消費の行動は経済学だけでは説明できないことがお分りでしょうか。
現在では行動科学から説明できます。
行動科学は社会学や心理学、文化人類学などの人間の行動を解明する学問ですが、これまでの各学問領域で研究されていた人間の行動に関する研究を援用して消費者行動研究がなされています。

例えば、社会階層や準拠集団の研究では、職業だとか、所属している集団(学校や会社といった公的な団体の他、仲間などのインフォーマル・グループ)によって、ブランド選択などの研究にも応用されています。
また対人的影響、パーソナリティ、認知心理学の研究なども消費者行動研究に影響を与えています。

このように当初、経済学を中心に行われてきましたが、現在では様々な学問領域の関係する研究が融合し、統合する形で消費者行動研究が発展しています。

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